キャッシュフロー計算書と資金繰り表はどちらも必要?経営リスクに備えるためには

資金繰りを悪化させないための基本は

資金繰りを悪化させないためには、キャッシュフローに気を配る必要があります。キャッシュフロー計算書を作成して資金管理を行う中小企業も多く、指針の一つとして利用が可能です。

特に重要になるのが営業によるキャッシュフローです。ベンチャーなど立ち上げ間もない企業でなければどれだけのお金が出て、どれだけの収益が上がっているかを把握することは基本になります。営業のキャッシュフローの健全化が財務の鍵を握るため、問題がある場合は早急な改善が必要になるのです。

続いて重要になるのが財務活動によるキャッシュフローも重要です。借入の追加や返済の記録になるため、中長期的な視野で考える必要があります。利息を少しでも減らすために前倒しで借入金を返済する、借り換えを検討するなど、積極的な活動でキャッシュフローが改善するケースもあります。

銀行など金融機関と交渉することで金利を減らせるケースもあるため、積極的に交渉を行うのも方法です。

経営が安定している場合は投資活動によるキャッシュフローも大切になります。お金を銀行に預けるだけでは金利がほとんど付かず、退職金などの捻出に支障をきたすケースがあるからです。積極的な投資で収益をあげる企業も存在しますが、資本の許す範囲でなければリスクに直結することもあります。

分散投資でリスクを避けつつ収益化を目指すだけでなく、経営状況に応じてどのように処分するかも含めて考える必要があります。

キャッシュフローの把握だけでは不足がある

キャッシュフロー計算書は経営の状態を把握するための目安になります。業務の効率化などで補える範囲であれば修正も簡単なケースがあります。ムダな慣例を減らすなど、工夫をすれば人件費やそのた費用の節約に繋がることも多いからです。

ただし、人件費をカットすれば簡単に達成できると考えてしまうと、社員のモチベーションの低下などに直結し、かえって効率が悪くなってしまうケースがあります。

効率化を目指し、キャッシュフローを目指すのであれば、どのような影響が及ぶかまで考える必要があるのです。

あわせてチェックしたいのが、お金の出し入れのタイミングです。キャッシュフロー上は黒字であっても、手元資金が不足して黒字倒産する企業も存在します。キャッシュフロー計算書だけでは把握できないことがあるため、資金繰り表をあわせて使う企業が多いのです。

資金繰り表をあわせて使えば資金の出し入れのタイミングが把握できるため、突発的にお金を借りなければならないという事態を避けられます。

お金の借入は使い道の自由度が高く、審査がゆるいほど利息が高まる傾向があります。ビジネス用のクレジットカードなど、手軽借入ができることが経営上のマイナスになっているケースもあります。基本的にお金を借りた場合は利息を余分に支払わなければならないことを意識し、収支のバランスをとることが大切なのです。

キャッシュフローを意識するなら取引先の信用度も重要に

キャッシュフローと資金繰りを意識する場合は、取引先の信用度や依存度も重要になります。新規の取引先獲得に苦労する企業は多く、売上げ拡大を目指す中で取引先の依存度が高くなるケースもあります。ただし、取引先が限定されるほどコスト競争などが発生しにくくなり、かえってマイナスになる場合も出てくるのです。

取引先の経営状態が悪化した場合は、その煽りを受ける可能性もあります。取引先の依存度を下げることや、支払いのタイミングなどの融通がつけられる状態を作ることが重要なのです。思わぬタイミングで出費が発生するケースや、資金のショートが起きる可能性があるため、取引先の信用管理を意識する必要があります。

取引先の経営状態は調査会社に依頼してチェックしてもらうほか、営業に確認するのも方法です。営業担当者は取引先の変化を敏感に感じていることが多く、異変に気付くことも珍しくないからです。取引先を信用するのは美徳である一方で、経営上のリスクになることを意識する必要があります。

キャッシュフローも、資金繰り表も、あくまでお金がしっかりと入ってくることが前提です。前提が崩れてしまえばあらゆる計画がうまくいかなくなる可能性があるため、経営破たんに直結するような依存は行わないようにするべきなのです。

中小企業倒産防止共済に入っていれば一部は取り戻せる可能性がありますが、現金化までのタイムラグなどを考えておく必要もあるのです。

最後に

中小企業はキャッシュフローや資金繰りに余裕がないケースが多く、チェックも後回しになってしまう場合があります。

しかし、冷静に課題を把握し、キャッシュフローを管理することは非常に重要です。キャッシュフローを見直し、借り換えや様々な補助を受ければ経営状態が改善することもあるからです。

その上で取引先との依存度を調整するなど、より健全な経営体質を目指すことが大切なのです。